根本　真吾（Shingo,NEMOTO）

やりがいを教えてください。

ずばり、お客様からの反応です。
現在こそ本社の管理部というお客様と直接関わる機会がない部署にいますが、以前までの約 10 年間は、 当グループの様々なホテル 現地 で勤務をしていました。管理部で 現地 と離れてはしまいましたが、 お客様アンケートの集計をしていると、お客様が笑顔になり、それを見て喜んでいるスタッフの様子が浮かんできます。

普段意識していることは何ですか？

仕事に限らず、自分の知らないもの、 考えもしなかったこと を提案された時は飛びつくようにしています。 何が自分に合っているのかを先入観だけで判断しがちですが、蓋を開けてみたら全然違うことは よく あります。 ですから、可能性を自分で消しちゃうのはもったいない。
26歳の時に 支配人を任された時も、「面白そう」 「望んでもそう巡って来る機会ではない」と いう思いから、喜んで 引き受けました。 いざやってみると 本当に大変で、 18 年経った 今でも強烈に 覚え ています。 従業員はもちろん、取引業者さんやそのご家族など、ホテルに関わって下さる全ての方々の生活が、ホテルの経営にかかっている という責任の重さ を感じた貴重な経験でした 。
この経験もあり、自分の判断材料や視野の中で決めて世界を狭めないように、フラットに考えられるように意識しています。 「お前は自分がないのか！」と怒られたこともありましたが…。

過去に大失敗をしたことはありますか？

沢山ありますが、 特に 印象に残っているのはホテルグリーンプラザ箱根 にいた際の ロビーコンサートです。
ホテルのロビーで行っているミニコンサートで、学生時代の友人と自分が作った曲を演奏した時がありました。 しかし立ち止まって下さるお客様はほとんどなく 、正直かなりへこみました。 ですが「このままじゃ終われない！」と思い、一度 冷静に 考えてみると、自己満足でやっていた自分に気付いたんです。 自分本位ではなく、あくまで 「 お客様 が楽しめるように」 と の思考に切り替え、 お客様に なじみのある曲を演奏し たところ、 徐々に聞いて下さる 方 が増えていきました。 2006 年のクリスマス セッション には 7,80 人ものお客様がいらっしゃり、 びっくりするぐらいの暖かい拍手やお言葉を頂戴しました。 やらせてくれた当時の支配人にも 感謝していますし、挑戦してよかったと思っています。 若い方々には、こうした挑戦をどんどんしてほしいですね。

今後の目標を教えてください。

現地のスタッフは、接客が大好きで、お客様の笑顔に最上の喜びを感じられる人たちばかりです。 このコロナ禍でも頑張っているスタッフたちだからこそ、お客様と関わる中で得られる喜びや幸せを実感してほしい と常々願っています 。
そのためにもお客様にご満足いただける環境づくりをサポートすることが私の仕事です 。 現場から離れ、お客様からの反応が見えにくくなってしまったことで、 現地の様子は自分が見聞きしてきたものから想像するしかありませんが、 だからこそ、 現地の人以上に現地のことを考えなければいけないし、考えていたいです。 そして私の仕事が 、スタッフの笑顔の先にあるお客様の笑顔に結びついてくれたら嬉しいです。

ここまで読んでくださった方にひと言お願いします。

ホテルというのは、一時的ではありますが、お客様が生活する場になります。生活スタイルの異なる様々なお客様が一つの空間を共有するという難しさがあり、 気の抜けない仕事です。しかし同時に、ホテル で できる仕事は、恐らく皆さんが思っている以上に幅があります。 どんなに些細なことでも、自分には不可能だと思うようなことでも、自分の可能性を自ら狭めることなく、まずは何でも挑戦してみてほしいと思います。 そして、その仕事を任されたからには、信じて任せてくれた人たちの期待に応えられるように全力でやってほしいです。 できるかできないか、向いているか向いていないかの判断はそれからでも遅くない はずです。